ティモがペレットを食べている最中にした吐くようなしぐさ
February 07, 2016
ティモが『Mazuri プレミアムチンチラフード』を食べている最中に、顎を突き出し背中を上下に揺らしながら吐くようなしぐさをしました
2015年1月から食べ始めたティモのお気に入りなペレットである『Mazuri プレミアムチンチラフード』。
同年9月から『イースター チンチラセレクションプロ グルテンフリー』も与えるようになって、日中に行っている1度目のケージのお掃除のタイミングで先に『イースター チンチラセレクションプロ グルテンフリー』を与えて、『Mazuri プレミアムチンチラフード』は夜のチンチラケージのお掃除のタイミングで行っているへやんぽタイムに与えるようにしています。
これまでそのようなことはなかったのですが、
その時間はおおよそ10秒ほど。
その後、3~4分間くらい背中を丸めたままじーっと動かずにいたティモですが、ゆっくりと動き出して徐々に走り出し、いつもと変わらないティモに戻りました。
後日「うさぎと鳥・小動物の専門病院 バニーグラス」さんで診察を受けました
ティモが「Mazuri プレミアムチンチラフード」を食べている最中に吐くようなしぐさをしてから数日間、注意深く様子を伺っていましたが、特に変わった様子はみられませんでした。
特に変わった様子はなさそうだからと安心していいものなのか心配だったので、先代チンチラもお世話になった葛飾区柴又にある「うさぎと鳥・小動物の専門病院 バニーグラス」さんに予約をとって診察をしていただいたところ、院長の進藤先生より、
原因を特定することはできませんが、触診やレントゲンをみても特に異常はみられず、問題ないと思います。
と診断をいただきました。
「吐くようなしぐさ」をした原因として考えられること
飲み込んだペレットが食道を通過する過程で起こったと考えられる
上記のイラストは、公益社団法人日本愛玩動物協会発行の愛玩動物飼養管理士2級教本に掲載されている、色々ないろいろな動物の胃の形態を表したものです。
この中でチンチラの胃は同じく完全な草食動物のウサギに似ていて、
このようなチンチラの体のしくみと、ティモが吐くようなしぐさをしたときは「Mazuri プレミアムチンチラフード」を食べている最中だったことを踏まえると、ティモの吐くようなしぐさはペレットが食道を通過して胃の中に入る手前の段階で起こった と推測されます。
ハードペレットは切歯で噛み砕いただけでは小さな塊の状態のため、よく咀嚼せずに飲み込むと喉につまらせてしまう可能性がある
チンチラ用に販売されているペレットにはハードペレットとソフトペレットの2種類があって、それぞれ製造方法が異なり、「Mazuri プレミアムチンチラフード」は熱を加えずにギュッと圧縮して作られたハードペレットです。
ハードペレットは熱を加えずに作られるので栄養成分の変性が少ないメリットがありますが、劣化のスピードがソフトペレットよりも速く、また硬いので、常生歯のチンチラのデリケートな歯根に負担をかけやすいといったデメリットがあります。
下の写真は「Mazuri プレミアムチンチラフード」をニッパーを使って切断した後の様子を撮影したものですが、切断しただけでは繊維がほぐれてバラバラになることはありません。
ハードペレットすべてにあてはまるかはわかりませんが、ギュッと強い力で圧縮して固められたハードペレットというのは、切歯で噛み砕いだだけでは小さな塊となるだけで、上下の臼歯をこすり合わせてすり潰すように咀嚼してから飲み込まないと、喉につかえてしまう危険性があります。
おそらく、ティモは切歯で噛み砕いただけで飲み込んでしまい、食道を通る過程で粘膜に接して痛みを感じたため、耳をペタンと下げ目を細め、スムーズに食道を通り過ぎてくれるように、直感的に背中を上下に揺らしたんだと思います。
大事に至らずにすんでよかった!獣医学書で調べたら窒息死の可能性もあったことを知りました
チンチラについての知識を深めたくて読んでいる獣医学書を調べていると、ティモがペレットを食べている最中にした「吐くようなしぐさ」に関連しているのでは?と思われる記述がありました。
「動物看護学全書-14 エキゾチック動物の看護」(斉藤久美子 著 日本小動物獣医師会 動物看護士委員会 監修 / 株式会社ファームプレス発行 / 2001.6)の中で、
また、「げっ歯類の臨床」(V.C.G. Richardson 著 斉藤久美子・林典子・岡哲郎 訳 / 株式会社インターズー発行 / 1998.10)では、
と書かれていました。
もしかして、ティモもこの記述に書かれているような事態に陥っていたのかもしれないと思ったらとても怖くなって、大事に至らずにすんで本当によかったと心から思いました。
牧草のように臼歯で咀嚼してすり潰しながら食べる植物の繊維性成分であれば安心できますが、食道につまらせてしまい窒息してしまう事態というのはハードペレットだけでなく固形の食物を食べているときに起こりうるということなんだと思います。
特に幼体や、急いで食べる癖がある子には注意する必要がある と思います。
以来、ティモにペレットを与えるときには、急いで食べることのないようにちょっとずつ手に乗せて与えるように工夫するようにしています。