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日々の健康管理にはうんちチェックを!チンチラが普段の健康なときにする「正常なうんち」を把握しておきましょう

チンチラのうんちチェックを毎日の日課に!「チンチラが健康なときにする正常のうんち」を認識しておきましょう

「今日もうんちに問題はないかな?」

ティモのうんちをじーーーっと見つめながら、毎日私が発している言葉です。

チンチラの健康状態を管理する上で、飼い主にできる最も身近で理想的な方法は、毎日うんちの状態を確認することだと思います。

完全な草食動物であるチンチラのうんちは、そのほとんどが胃腸の蠕動運動を活発にさせ役目を終えた不消化性繊維でできていて、腸内微生物なども一部含まれた状態で排泄されます。

「今日のうんちは正常なうんちといえるんだろうか・・?」

と不安になってしまう経験は、チンチラを飼育されている飼い主さんであれば、誰もが経験したことのあることなんじゃないかなと思います。

チンチラの正常なうんちについて、私の手元にある飼育書や獣医学書にどのように書かれているのかを調べてみました。

日頃からお世話になっているDr.ツルこと霍野晋吉先生にアドバイスいただいたことや、私が日ごろから行っているティモのうんちをチェックするときに注意して観察しているポイントも合わせてお話したいと思います。

[2020.07 UPDATE]

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チンチラの正常なうんちってどんなもの?

飼育書や獣医学書に掲載されていたチンチラの正常なうんち・糞・フンの写真

上記の画像は、「チンチラの正常なうんちの状態」の参考として、チンチラの飼育書や獣医学書に掲載されていた画像を並べたものです。

チンチラのうんちの形の表現は、書籍によって「弾丸状」といったり「長形」「円柱状」など様々ですが、イメージしているのは上記の画像にあるようなうんちの形です。

なお、ここで紹介しているうんちとは、食べたものが消化器官を経て排泄物となって排出される一般的な「糞」のことで、硬便ともいわれるのですが、チンチラはもう一種類、「盲腸便」と呼ばれる栄養を摂取するための排泄物 (軟便ともいう) もします。

完全な草食動物であるチンチラは後腸発酵動物で、易消化性繊維は盲腸で腸内微生物によって消化・発酵され、アミノ酸などのたんぱく質や揮発性脂肪酸、ビタミンなどが合成されて、ゼラチン状の粘液で覆われた塊(盲腸便)となって一旦排泄されます。

一旦排泄された盲腸便は、すぐに口に含んで摂取され、今度は栄養素として小腸で消化されるので、盲腸便を食べる食糞行動とはチンチラが健康を維持するために不可欠なものです。

盲腸便が排泄される時間帯は一般的なうんちと異なり、チンチラが寝ている時間帯で、特別なにおいを発して食糞行動を促し、排泄したと同時に口に入れて食べられるので、私達が目にすることはめったにありません。

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チンチラの飼育本や獣医学書ではチンチラの正常なうんちについてどのように書かれているのだろう?

では、チンチラの飼育書や獣医学書ではチンチラの正常なうんちについてどのように書かれているのでしょうか?

私の手元にあるチンチラの飼育書や獣医学書の発行年度の新しい順に、どのように書かれているのか見てみたいと思います。

カラーアトラス エキゾチックアニマル 哺乳類編 増補改訂版

「カラーアトラス エキゾチックアニマル 哺乳類編 増補改訂版」(霍野晋吉、横須賀誠 著 / 株式会社緑書房発行 / 2019.3)

糞は硬結な1~3cmの弾丸状で、黒褐色~黒色を呈する。

糞臭は少ない。これは腸内細菌に乳酸桿菌が少ないことと、高度な水分利用が関係している。

[参考文献①]:富永聡、辻絋一郎.チンチラ.実験動物技術編.田嶋嘉雄編.朝倉書店.東京.1977.

「カラーアトラス エキゾチックアニマル 哺乳類編 増補改訂版」(霍野晋吉、横須賀誠 著 / 株式会社緑書房発行 / 2019.3) を参考に要約

PREFECT PET OWNER’S GUIDES チンチラ 完全飼育

PERFECT PET OWNER'S GUIDES チンチラ 完全飼育

正常なフンは、黒から黒茶色で、1cmほどの円柱状の形をしている。

同じサイズのものが一日で相当量出る。

押してもつぶれない堅さ。

サイズがまちまちであったり、通常よりも小さかったり、量が少なく感じる場合は危険信号。

PERFECT PET OWNER’S GUIDES チンチラ 完全飼育」(鈴木理恵 著 田向健一 医療監修 / 株式会社誠文堂新光社発行 / 2017.1) を参考に要約

VEC14号特集パック チンチラの疾病

インターズーオンライン チンチラの疾病

正常な糞は長形である。

排便場所を1ヵ所に決めることはない。

VEC14号特集パック チンチラの疾病(チンチラの生態と飼育管理指導)」(小沼守 著 / インターズーオンライン / 2009) を参考に要約

チンチラの正常な硬便は葉巻状をしており、通常8~10㎜の大きさである。

VEC14号特集パック チンチラの疾病(チンチラの消化器疾患)」(田向健一 著 / インターズーオンライン / 2009) を参考に要約

ザ・チンチラ

誠文堂新光社 ザ・チンチラ リチャード C.ゴリス 著 2002年2月

糞はいちばんわかりやすいチンチラの健康のバロメーター。

糞は決まった場所でするということはあまりない。

正常な糞は黒っぽくて、乾いており、チンチラに踏まれてもつぶれないぐらい硬いものである。

フットボール状のペレットで、長さは個体と排泄の時間によって多少違うが、0.5ないし1.5cmが正常。

「ザ・チンチラ」(リチャードC.ゴリス 著 / 株式会社誠文堂新光社発行 / 2002.2) を参考に要約

– わが家の動物・完全マニュアル - チンチラ

わが家の動物・完全マニュアル チンチラ 株式会社スタジオ・エス 発行 リチャード C.ゴリス 総監修 霍野晋吉 医学監修 2000.10

正常なフンは黒~黒茶色をしている。

コロコロとしたラグビーボール状の形をしている。

フンの大きさは5~10mmほどだが、個体差があるため、チンチラが健康なときにするフンの大きさを覚えておくとよい。

「- わが家の動物・完全マニュアル - チンチラ」(Richard C.Goris 総監修 霍野晋吉 医学監修 / 株式会社スタジオ・エス発行 / 2000.10) を参考に要約

カラーアトラス エキゾチックアニマルの診療指針

インターズー カラーアトラス エキゾチックアニマルの診療指針

糞臭が少ない。腸内細菌に乳酸桿菌が少ないことと、高度の水分利用が関係している。

「カラーアトラス エキゾチックアニマルの診療指針」(霍野晋吉 著 / 株式会社インターズー発行 / 1998.12) を要約

フェレット、ウサギ、齧歯類 -内科と外科の臨床-

学窓社 フェレット、ウサギ、齧歯類

健康な状態の便は量が多く、無臭で大きめの米粒大である。

色は茶色か黒。

排泄直後は軟らかく、丸い

[参考文献①]:Cousens PJ : The chinchilla in veterinary practice. J Small Anim Pract 1963 ; 4:199-205.

「フェレット、ウサギ、齧歯類 -内科と外科の臨床-(Elizabeth V.Hillyer・Katherine E.Quesenberry 編 長谷川篤彦・板垣慎一 監修 / 株式会社学窓社発行 / 1998.7) を要約

チンチラのうんちには個体差があり、正常なうんちのサイズの幅も広い

チンチラの正常なうんちについて、私の手元にあるチンチラの飼育書や獣医学書にどのように書かれているのかを紹介しました。

色や形についてはだいたい書かれていることが同じだなという印象でしたが、サイズについては書かれている内容に幅があるなと感じました。

おそらく、参考にしているチンチラの種類に幅があったのではないかなと思います。

以上のことから、私の手元にあるチンチラの飼育書や獣医学書に書かれていたことを要約すると、

チンチラの正常なうんちとは

色は黒~黒茶色で、コロコロとしたラグビーボールのような形をしており、糞臭は少ない。サイズは一般的には10mm前後だが、個体差がある。

となるかな?と思います。

硬さについては、「PERFECT PET OWNER’S GUIDES チンチラ 完全飼育」や「ザ・チンチラ」に、つぶれないくらい堅いと書かれていましたが、時間が経過するとという補足が抜けてしまっているのではないかと思います。

「フェレット、ウサギ、齧歯類 -内科と外科の臨床-」にも書かれているように、排泄直後は軟らかく、排泄直後からつぶれないくらい堅いということはありません。

どれくらいの軟らかさなのかというと、ティモの場合は、見た目は前項で紹介した写真のようですが、指で押せばつぶれる(形が変形する)くらいの軟らかさです。しばらく時間が経つと、押しても簡単にはつぶれないくらいの硬さになります。

では、チンチラのうんちは、『色は黒~黒茶色、形はコロコロとしたラグビーボール状、サイズは10mm前後』でなければ正常とはいえないのか?というと、そうとも言い切れません。

「ザ・チンチラ」にも書かれているように、チンチラの正常なうんちには個体差があり、排泄の時間帯等によっても変化するからです。

チンチラの正常なうんちには個体差があり、サイズの幅も広い と認識しておくのがよいかなと思います。

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「正常なうんち」かどうかを判断できるようになるためには、チンチラが健康なときにするうんちの状態を理解できていることが不可欠

チンチラのうんちには個体差があって、正常なうんちの範囲も広いのなら、正常なのか異常なのかを判断するときにどうしたらよいのだろう・・。

そう思って、エキゾチックペットクリニック元院長のDr.ツルこと霍野晋吉先生に相談してみました。

先生、「よいうんちの定義」って何ですか?
大きさ、硬さ、形、個数と色んな要素がありますよね。私は、サイズが大きくて形がよいものが理想的なよいうんちだと思っていたのですが、この頃そうともいえないのでは?と思うようになりました。

動物病院では、可能な限り新鮮なうんちのサンプルを用いて、形状・サイズ・色などを視診で確認し、顕微鏡を使った糞便検査(直接法)で微生物などのバランスを診て、総合的に診断を行います。家庭では、チンチラが健康なときにする普段のうんちを基準として、普段と比べてどう変わったのか、「チンチラが健康なときのうんちを正常なうんち」と捉えて比較するとよいですよ。

と教えてくれました。

例えば、視診でそんなに小さなうんちともいえないうんちであっても、飼い主さんが「この子の普段のうんちは大きいのに、小さなうんちばかりの日が続いているんです。」といった場合には、何らかの原因による異常を疑ってアプローチを行うのだそうです。

動物病院では顕微鏡を使った糞便検査などを通じて診断を行い、飼い主は「チンチラが健康なときの正常のうんちと比べる」方法で観察を続ける。

ここでポイントとなるのは、チンチラが健康なときの普段のうんちの状態を飼い主が把握できていることが大前提だということです。

獣医師は、動物病院を訪れたチンチラちゃんを視診・聴診・触診したり、検査を行うことはできますが、普段の健康な状態と比べて今日はどういう状態なのか?ということは飼い主から説明をしてもらわないとわかりません。

獣医師にできることと飼い主にできることには違いがあって、どちらも大切で、両方の要素が合わさることで診断がより正確に行えるということです。

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私がティモのうんちをチェックする際に注意して観察しているポイント

チンチラが健康なときにするうんちを正常なうんちと捉えればよいんだなとわかったところで、次にどんなところに着目して観察すればよいのか?なのですが、私の個人的な考えになりますが、下記の項目がポイントとなると思っています。

チンチラのうんちのチェック項目

サイズ
硬さ
表面の素材感
におい
全体量(重さ・個数)

まずはじめに大切なことは、おうちのチンチラちゃんのうんちにどんな特徴があるのかを把握できるようになる ことです。

違う言い方をすると、「健康な状態であっても◯◯が△△~△△くらい変化する」と答えられるようになる ことです。

排泄される時間帯によって変化がそれほどみられない子もいれば、かなり変化する子もいます。また、季節によって変化する場合もあります。

これらの変化は個体差が大きく、飼い主しか観察することのできない重要なポイントでもあります。

おうちのチンチラちゃんの正常なうんちの振れ幅を把握することができれば、正常か異常かの判断が自然と感じ取れるようになってきます。

サイズ

チンチラのうんちのサイズについては、飼育書や獣医学書によって内容にかなり幅がありました。

チンチラにも大きな種類と小さな種類がいるので、参考にされた個体が様々だったのではないかなと思いますが、前項でお話したように、排泄時間帯によって変化する場合もあるので、おうちのチンチラちゃんのうんちのサイズのパターンを、「普段は◯◯くらいで、小さくても△△くらい、大きい時には♢♢くらいのときもある」といった具合にサイズの変化の範囲を把握できている とよいんじゃないかなと思います。

サイズに表れる異変として多いのは、普段より小さなうんちばかりが出るようになることで、環境の急激な変化やストレスで一時的に小さくなる場合もありますが、普段と変わらない生活をしているのに明らかに小さなうんちばかりが出るようになった(小さなうんちしか出なくなった)としたら、何らかの原因があって異常な状態である可能性が考えられます。

ただ、その場合の異変はサイズだけでなく、量や形、硬さなど他の項目にも現れている可能性が高いと思うので、他の項目をより一層注意して確認してみる必要があると思います。

チンチラの正常なうんちの形は、チンチラの飼育書や獣医学書では「弾丸状」「円柱状」「フットボール状」「ラグビーボール状」「葉巻状」などと表現されていますが、どれも似たような一般的なチンチラのうんちを表現しているんだと思います。

ティモに限ったことなのかもしれませんが、うんちの形も排泄時間帯によって変化します。

ティモの場合は、活発に活動している時間帯は色んな表現をされているのと同じような典型的なチンチラのうんちの形をしていますが、活動を開始し始めたばかりのときは、円柱状というより短めな丸状に近いときもあるし、眠くなってきた夜明けに近い時間帯には下に向かって幅が広がっていくしずく状のようなうんちが多くなってきます。

このような状態は、飼育書や獣医学書に書かれている「サイズにバラつきがある」危険信号な状態にあたるんだと思いますが、常日頃からのティモならではのうんちの形のパターンなので、ティモの場合は正常なうんちの範囲内と判断しています。

実際に、時間差で排泄された形の異なるうんちを複数個動物病院に持参して、糞便検査をお願いしたことがありますが、どちらのうんちも異常はないと診断を受けました。

なので、形については、「見慣れない形が増えてきていないか?」をチェックするとよいのではないかなと思います。

こんなうんちばかりになったら大変!と危険視しているうんちの形

私の個人的な考えになりますが、もし体の中で何か異変が起こっているのだとしたら、サイズの項目でも触れたように、形も含め、一つの項目にだけ異常が現れるとは考えにくいです。

形がいびつになるだけでなく、サイズも小さくなったり、硬さにも変化が現れたり、量が減ったりと、複数の項目に異変が現れる場合が多いと思います。

私が個人的に危険だなと思うチンチラのうんちの形は、先端が尖っていて鋭い断面が多く、溶岩が固まったみたいにデコボコしており、かつサイズが小さく、色は真っ黒に近く、硬いうんちです。

よく似たうんちが「新版 よくわかるウサギの健康と病気」に掲載されていました。

異常な形のうんちのイメージ

画像はウサギの排泄物ですが、私がイメージする危険なチンチラのうんちの形にそっくりです。

画像には補足説明として、

胃腸うっ滞、腸閉塞などを起こしていると便が小さく、量も少なくなることが多い。

「新版 よくわかるウサギの健康と病気」(大野瑞絵 著 曽我玲子 監修 / 株式会社誠文堂新光社 発行 / 2018.3)より引用

と書かれています。

私の手元にあるチンチラについて書かれた飼育書や獣医学書の中で、上記のようなうんちの形になる疾患を説明している箇所はないかなと探してみると、「便秘」について書かれた説明の中に近い内容がありました。

便秘が起こる時には細くて短い便、臭い便、血液が混じった便などがあると注意です。

PERFECT PET OWNER’S GUIDES チンチラ 完全飼育」(鈴木理恵 著 田向健一 医療監修 / 株式会社誠文堂新光社 発行 / 2017.1)より引用

便秘をしているチンチラは無理に排便をしようとするので、便は細く短く、固い。時には血液が混じることもある。

「フェレット、ウサギ、齧歯類 -内科と外科の臨床-」(Elizabeth V.Hillyer・Katherine E.Quesenberry 編 長谷川篤彦・板垣慎一 監修 / 株式会社学窓社 発行 / 1998.7)より引用

と書かれています。

画像で紹介したような小さくて変形したいびつなうんちというのは、胃腸の蠕動運動が正しく行われていない状況下で、どうにかこうにか排泄されてきたうんちなので、形はいびつで、サイズは小さく、水分を吸収され尽くしてしまっているのでデコボコとして硬くなってしまっているんだと思います。

「便秘」と聞くと人間にとって身近なので怖い感じがしないかもしれませんが、胃腸の蠕動運動が継続して行われている草食動物であるチンチラにとっては、命に関わる重篤な病気の状態です。

完全な草食動物であるチンチラの主食は繊維ですが、繊維が主食だからすべての繊維を消化・吸収できるわけではなくて、不消化性繊維は胃腸の蠕動運動によってすみやかに消化器官を通過してうんちとなって排泄されるのが通常です。

そんな体のしくみをしているのに、うんちになって排泄されてこないということは、胃腸の蠕動運動が正しく行われていないことが考えられ、連鎖的に様々な病気を併発します。

食欲がなくなり腸内細菌叢のバランスは崩れ、ガスが貯留したり、胃閉塞、腸閉塞・・と、併発する可能性の高い病気はまだまだ他にもあります。痛みを伴ってショック状態になることもあり、突然死も十分考えられます。

人間の便秘とは全くの別物です。

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硬さ

チンチラのうんちの硬さについては、夜のへやんぽタイムなど、活発に活動している時間帯に排泄されるうんちの硬さを観察する のがよいんじゃないかな?と思います。

できれば、排泄されてすぐのうんちを手にとって確認してください。指でつかむと崩れてしまうような硬さだったらちょっと軟らかいかなという気がします。

前項でも少し触れましたが、排泄直後のうんちが押してもつぶれないくらい堅いということは通常ありません。押せば変形します。

うんちの硬さもまた、ティモに限ったことなのかもしれませんが、排泄される時間帯によって違います。

寝起きで活動し始めたばかりのときに排泄されるうんちは、形が丸かったり軟らかい場合が多く、逆に私達が寝静まっている明け方に排泄されるうんちは、活発に活動している時間帯のうんちよりも小さいだけでなく硬いです。

不思議だな~と思うこともありますが、常日頃からそうなので健康なティモのうんちの特徴の一つだと思っています。

色についてはチンチラの飼育書や獣医学書によると、「黒」「黒褐色」「黒茶色」「茶色」と書かれています。

うんちの色は食べた牧草によっても若干変化し、例えばオーツヘイのような黄土色の茎が多い牧草を多く食べた日は茶色が強く感じられるので、それほど神経質にならなくてもよいんじゃないかなと思います。

なお、ティモの場合は排泄される時間帯によっても変化し、活発に活動している時間帯のうんちは黒色に近く、明け方近くに排泄されるうんちは茶色に近いです。

いつもと変わらない色をしていることを確認をしておきましょう。

表面の素材感

チンチラのうんちは、主に不消化性繊維でできているので、よく見てみると細かな粒子となった繊維が密接にくっつきあって構成されているのがわかります。

不消化性繊維以外には、口に入った砂や被毛なども一緒に排泄されますが、肉眼ではわからないくらい微量なのが通常です。

うんちの表面の素材感は、水分量の影響を受けると感じています。水分量が多いほど表面は滑らかになり、少ないほどザラザラ・デコボコしています。

どちらの場合も、もし異常による変化だとしたら、量が少ない、サイズが小さい、形がいびつなど、他の要素にも変化が現れるんじゃないかと思います。

ティモの場合は、活動を開始し始めたばかりのうんちの表面は滑らかなことが多く、明け方のお休みする前のうんちはザラザラしていて、デコボコしているものもあったりします。

注意して見てみてもらいたいな・・と思うのは、表面に毛のようなものが多くみられることがないかどうか、また、見慣れない粘液のようなもので覆われていないか です。

私の手元にある書籍の中では、チンチラのうんちの表面に現れる異常について、画像で説明しているものが見当たらないので、ウサギの場合どのように説明されているのかを紹介すると、

表面の素材感に表れるうんちの異常のイメージ

チンチラの場合は、左にある画像のように毛でつながって排泄されるケースはかなりまれだと思いますが、画像のように表面に被毛が多く含まれているとわかるケースはあるんじゃないかと思います。

通常、飲み込んだ抜け毛は便に混じって排泄されますが、過度に飲み込んでいたりすると、便と便が毛でつながった状態のものが排泄されることもあります。

「新版 よくわかるウサギの健康と病気」(大野瑞絵 著 曽我玲子 監修 / 株式会社誠文堂新光社 発行 / 2018.3)より引用

と書かれています。

粘液のようなもので覆われたうんちのイメージは、右の画像でみてもイメージがわきにくい部分もありますが、明らかに健康なときにするうんちとは違うとイメージはできるんじゃないかなと思います。

におい

チンチラのうんちのにおいについては、多くの書籍に「糞臭は少ない」と書かれているとおり、ほとんどしません。

排泄したばかりのうんちは、草を蒸したような香りがしますが、鼻を近づけてくんくんと嗅いで初めてわかる程度で、時間が経つとほぼ無臭になります。

慣れないものを食べたり、何らかの原因にのって腸内細菌叢のバランスが崩れると、においが強くなる場合があります。

その場合は、特にうんちの硬さにも変化が現れるんじゃないかなと思いますが、普段は気が付かないにおいに気が付く程度に至ったら異常な可能性が高いのではないかと思います。

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全体量(重さ・個数)

チンチラが1日に排泄するうんちの量(重さ)は、「カラーアトラス エキゾチックアニマル 哺乳類編 増補改訂版」によると、

排便量: 5 ~ 10g / 頭 / 日

[参考文献①]:富永聡、辻絋一郎.チンチラ.実験動物技術編.田嶋嘉雄編.朝倉書店.東京.1977.

「カラーアトラス エキゾチックアニマル 哺乳類編 増補改訂版」(霍野晋吉、横須賀誠 著 / 株式会社緑書房発行 / 2019.3)より引用

と書かれていました。

過去の実験動物について書かれた書籍を参考文献とされているので疑問に思うところもありますが、うんちの重さや個数といった全体量も個体差によるところが大きいので、おうちのチンチラちゃんが1日にどのくらいの量のうんちをしているのか、個数は何個くらいあるのか 知識として持っておくとよいと思います。

私は、毎日ティモのうんちを集めて、重さを量ることを日課にしていて、個数を数えるのはプラスαで、環境の変化などがあってうんち量が乱れた時や、いつもより変化が気になるときに数えるようにしています。

いつもと変わらない生活をしているのに、昨日と今日で比べて大幅に量が減った(重さ・個数)という経験はしたことがありませんが、1ヵ月ごとに平均値を計算してグラフにしてみてみると、多い月もあれば少ない月もあったりと差があって、それは毎年同じ季節に増減するのではなく、年によっても変わります。

環境が急激に変化したときのうんち量(重さ・個数)を記録しておこう

うんちの全体量(重さ・個数)は、環境が急激に変化すると必ずといっていいほど乱れます。

通常であれば、元の環境に戻って1、2日もすればうんちの全体量もいつもと同じくらいまで回復するはずなので、例えば、動物病院に連れて行く、ペットホテルに預けるといった環境が急激に変化する機会があったときには、1週間くらいの間、1日あたりのうんちの重さや個数を記録してみるとよいと思います。

その時に記録しておいたデータは、また「あれ?いつもよりうんちが少ないな・・」などと思ったときに、比較するデータとして活用できます。

例えば、急激な環境の変化といった思い当たる原因がないにもかかわらず、記録しておいたデータよりも明らかに少ない場合には、何らかの原因があって異常な状態である可能性が高いと考えられます。

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さいごに

チンチラの正常なうんちについて調べたことと、私がいつも気をつけてチェックしているポイントについてお話しました。

チンチラの正常なうんちは個体差が大きいので、お家のチンチラちゃんのうんちを日々チェックしながら特徴を探っていくのがよい方法だと思います。

健康な状態であっても、毎日全く同じうんちをするというわけではなく、様々な要因で変化するのは自然なことだと思うので、『お家のチンチラちゃんの正常なうんちの範囲はよいときはこれくらいで、悪くてもこれくらいまで』と範囲を理解できていることが一番のポイントになると思います。

もし、健康状態に何らかの異常があってうんちに変化が現れるとしたら、サイズや形、硬さ、色、表面の素材感、におい、全体量といった項目のどれか一つにだけ異常が現れるのではなく、複数の項目に異常が現れるはずなので、どの項目も普段の健康なときにどのような状態なのか把握できているとよいなと思います。