チンチラのための飼育環境づくり:理想環境温度と適応できる温度

日本の多くは、温帯モンスーン地帯に位置し、世界的に見ると比較的温暖で、降水量に恵まれています。

比べて、チンチラの故郷は、標高3000~5000メートルの南米大陸のアンデス山脈地帯西側で、寒冷な乾燥地帯で、降水量も少ないため、湿度が0%になることもあります。

チンチラの故郷 南米大陸 アンデス山脈の西側地帯

PHOTO提供 : saiko3p/PIXTA

 

チンチラをお迎えすると、必ず直面するのが、「チンチラの適温って何度なんだろう?」という疑問です。

インターネットで検索すると、様々なことが書かれているし、様々な論議があるようです。

最終的にどの意見に賛同するかはそれぞれだと思いますが、私は、チンチラの飼育で疑問に思うことがあったときには書籍で調べるか、お世話になっている獣医師に相談します。

幸いにも、「チンチラについて知る」ための書籍を増やすことができたので、「チンチラの理想環境温度」と「チンチラの適応できる温度」について、私の手元にあるチンチラの飼育書や獣医学書の中でどのように書かれているかをまとめてみたいと思います。

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チンチラについて学ぶために活用している書籍の紹介

私の手元にあるチンチラの飼育書や獣医学書の数々。

チンチラについて学ぶための本のコレクション チンチラの飼育書 チンチラの獣医学書

一番上の左の2冊、ほんのり背景をピンク色で着色した、「ザ・チンチラ」(リチャード C.ゴリス 著 / 誠文堂新光社)と、「わが家の動物・完全マニュアル チンチラ」(リチャード C.ゴリス 総監修 / スタジオ・エス)は、家庭向けのチンチラ専門の飼育書で、今は販売されていないものの、中古本としてAmazonに出品されたりしています。

それ以外は全て獣医学書で、一番下にある「VEC 14号特集パック チンチラの疾病」は、インターズーオンラインで購入した電子書籍です。

獣医学書の方が、チンチラの体のしくみやかかりやすい病気のことなど詳しく書かれているので、専門用語が満載ではありますがとても勉強になります。

ただ、チンチラ専門の獣医学書ではなく、様々なエキゾチックアニマルについて書かれている中にチンチラのことも書かれているという感じで、かつ書籍代も結構高額なので、まずは図書館を利用して読んでみるのがおすすめです。

 

図書館活用のために利用している検索サイト

獣医学書は身近な町の図書館では置かれていない場合が多く、取り寄せをお願いできる場合もあるようですが、国立、都立、県立の図書館に置かれている場合が多いです。

全国のどの図書館にあるかを検索するには、国立国会図書館サーチ がおすすめです。霞が関にある国立国会図書館だけではなくて、全国の公共図書館、公文書館、美術館や学術研究機関等が提供する資料、デジタルコンテンツを統合的に検索できます。

さらに、大学図書館を利用することもできるので、どの大学図書館にあるかを調べるには、 大学図書館の本をさがす CiNii Books  が便利です。

Screenshot
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図書館を選ぶポイント1:書籍の保管が「開架」か「閉架」か?

私は、CiNii Books で調べて、東京大学農大生命科学図書館を利用させていただきました。

東京大学農大生命科学図書館は、開館カレンダーをみると、夜22時45分まで開いている日が多い上に、開架方式なので、実際に手に取って選びながら読むことができるのがとってもよいです。

国立国会図書館など、書籍の保管が閉架方式だと、館内スタッフの方に持ってきて頂いて館内で読むという方法なので、受付できる冊数に制限があったり、先に書籍名がわかっていないと先に進めないなど、乗り越えなくちゃいけないステップがいくつもあるので利用しにくい面もあります。

図書館を選ぶポイント2:コピーの方法

さらに、「コピーをどのようにとらせていただけるのか」も、図書館によって違います。

館内スタッフの方にお願いしてコピーをとっていただく国立国会図書館のような図書館もあれば、農林水産省図書館のように自分でコピーがとれる図書館もあるし、コピーできない図書館もあります。

私が利用させていただいた東京大学農大生命科学図書館では、申請用紙に氏名や連絡先を書いた上で、書籍名とコピーしたいページを書いて、受付にコピーしたい本と一緒に持っていき、館内スタッフの方に確認していただいた上で自分でコピーをとることができました。

コピーをとるにはいくつかルールがあり、また、全ての書籍がコピー可ではないので、その判断も受付の館内スタッフの方がしてくださいます。

図書館を選ぶポイント3:コピー代金

さらにさらに、コピー代金も違います。

当然、館内スタッフにコピーをとっていただく場合は、コピー代金もお高くなります。

自分でコピーをとることができる図書館でも、詳しく調べていませんがコピー代金は異なると思います。

以前利用した、農林水産省図書館は白黒コピーA3サイズが1枚20円でしたが、東京大学農大生命科学図書館は、白黒コピーA3サイズが1枚10円でした。

ひょっとして、学業に熱心な学生を応援する大学図書館の方がコピー代金も良心的な価格設定になっているのかなぁ?と思います。

「チンチラの適温」という表現は獣医学書にはありません

それでは、やっとこさ本題に入りたいと思います。

私が最初に持っていた2冊の本。

家庭向けチンチラ専門の飼育書 ザ・チンチラとわが家の完全マニュアル チンチラ

家庭向けのチンチラ専門の飼育書である「ザ・チンチラ」(リチャード C.ゴリス 著 / 誠文堂新光社 2002年)と、「わが家の動物・完全マニュアル チンチラ」(リチャード C.ゴリス 総監修 / スタジオ・エス 2000年)を読んでいたときはわからなかったのですが、獣医学書を読むようになって、「チンチラの適温って何度なんだろう?」という疑問自体がとても漠然としていて、曖昧なことに気が付きました。

 

「チンチラの適温」とは、チンチラにとって理想どおりなのか、それとも、理想どおりではないけれどまだ頑張れる温度なのか・・・。

 

先に紹介したどの獣医学書をみても、「チンチラの適温」と書いて説明している獣医学書は1つもありません

どの獣医学書も、「理想」と「適応」という2つの表現を用いて書かれています。

 

そうか、そうか。そうだよな。。そうやって説明しないと誤解を与えちゃうよな。

私も「チンチラの適温」っていう言葉ではなく、「理想環境温度」と「適応できる温度」とそれぞれ書くように気を付けようと思いました。

チンチラの「理想環境温度」

チンチラの理想環境温度 私が持っているチンチラについて学ぶための本にどのように書かれているかをまとめたもの

「チンチラの理想環境温度」について、どのように書かれているかをまとめてみました。

ぱっとみただけでも、色々な説があるのがわかります。

「カラーアトラス エキゾチックアニマル 哺乳類編」(霍野 晋吉・横須賀 誠 著 / 緑書房 2012年)や、「フェレット、ウサギ、齧歯類 -内科と外科の臨床-」(Elizabeth V.Hillyer・Katherine E.Quesenberry 編 長谷川 篤彦・板垣 慎一 監修 / 学窓社 1998年)では、海外の参考文献を紹介しながら書かれており、「10~15℃前後」と書かれている海外文献と、「10~20℃前後」と書かれている海外文献の大きく2つの説が存在するようです。

さらに、「フェレット、ウサギ、齧歯類 -内科と外科の臨床-」(Elizabeth V.Hillyer・Katherine E.Quesenberry 編 長谷川 篤彦・板垣 慎一 監修 / 学窓社 1998年)の中で、「18℃以下、湿度50%以下の条件で、被毛がよく発達する。」と書かれた海外の参考文献についても書かれています。

 

春夏秋冬と一年を通して飼育環境温度を一定に保つのは難しいので、、「チンチラの理想環境温度の上限は21℃」という解釈でいいんじゃないかな?と思います。

チンチラのための「寒さ対策」は必要ないの?

「チンチラの理想環境温度」は10~15℃や10~20℃前後と低いんだから、夏は「暑さ対策」が必要だけれど、冬には「寒さ対策」しなくてもいいのかな?

そう疑問に思ったことありませんか?

「寒さ対策」について何か書かれていないかな~?と手元にある獣医学書を見てみましたが、「高温」や「多湿」に対しての注意点や引き起こす病気のことや対策については沢山書かれていますが、逆に「寒さ対策」について具体的に書かれている内容は見当たりませんでした。

ペットショップのメールマガジンでは頻繁に、「寒さ対策を始めましょう」と書かれているのを拝見しますが、獣医学書では違うんだな~という印象です。

 

家庭向けのチンチラ専門の飼育書である、「わが家の動物・完全マニュアル チンチラ」(リチャード C.ゴリス 総監修 / スタジオ・エス 2000年)では、

温度が15℃以下になるような場合は、エアコンなどを使って温度調節してください。送風がチンチラに直接当たらないようにするのはもちろんです。

と書かれています。

同じく家庭向けのチンチラ専門の飼育書である、「ザ・チンチラ」(リチャード C.ゴリス 著 / 誠文堂新光社 2002年)では、

チンチラは低温にけっこう強いですが、それは体温を維持できる暖かい巣箱などがある場合だけです。すきま風が吹いていて、隠れる場所のない低温の部屋にいると、簡単に肺炎や凍傷になったりします。

と書かれています。

 

私も、巣箱やハウスなどくつろぐ空間を中心としたチンチラのための「寒さ対策」は必要だと思っています。

「チンチラの理想環境温度が10~15℃、あるいは10~20℃」とすると、「温度が15℃以下になる場合には室内の温度調節を行う」というのが適しているのかどうかは判断できませんが、チンチラは暖かく感じる場所で寝るのが好きなんだな~と感じることが多いです。

おそらく、チンチラは本来群居性をもつ動物なので、寒冷で乾燥した厳しい環境で暮らしていても、岩の割れ目や穴などの棲み家の中では家族がたくさん集まってお互いの温もりで暖かく心地の良い住まいだったんだと思います。

「VEC14号特集パック チンチラの疾病(チンチラの腸重積の2例)」(戸﨑和成・戸﨑啓子・倉本悦子・笹内綾乃 著 / インターズーオンライン 2009年)の中で、腸重積で手術を行ったチンチラが、自らの意思で電気保温マットの上で寝たりしていたと症例を紹介しています。

それによると、手術後の経過で、覚醒以降退院までの間、動物用インキュベーターにて温度を約22~23℃に維持し、低体温を避けるために、電気保温マットも設置したのだそうです。

温度が22~23℃であれば、チンチラの理想環境温度を少し上回る温度ですが、その症例のチンチラは好んで電気保温マットの上に乗り、いつも横になって寝ており、熱中症になることもなく、呼吸も正常だったと書かれています。

手術をして体調が弱っているからこその行動だったのかもしれませんが、ティモも室温が20℃くらいある日でも「みずよし貿易 遠赤外線マイカヒーターⅡ」に寄り添って黄昏れてみたりもしているので、温かさを感じる場所で休みたいのは人間だけではないんじゃないかな~と思います。

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チンチラの「適応できる温度」

チンチラの適応できる温度

続いて、「チンチラの適応できる温度」についてです。

まず、「チンチラの適応できる温度」は、「湿度の設定」が加わって初めて適応できる温度なんだということを理解する必要があると思います。

「カラーアトラス エキゾチックアニマル哺乳類編」(霍野 晋吉・横須賀 誠 著 / 緑書房 2012年)では、具体的な湿度の割合を「湿度を50%以下」に設定すれば、「18.3~26.7℃でも適応できる。」と書かれた2つの海外の参考文献についても紹介していますが、

「21.1℃以上になると不快感を示し、32.2℃以上では死亡する。」という海外の参考文献の記述についても紹介されているので、「不快に感じる温度に達しても湿度を抑えることができれば適応できる温度の幅が広がる」ということなんだと思います。

「げっ歯類の臨床」(V.C.G.Richardson 著 斉藤久美子・林典子・岡哲郎 訳 / インターズー 1998年)や、「エキゾチック動物の看護」(斉藤 久美子 著 / ファームプレス 2001年)、「VEC14号特集パック チンチラの疾病(チンチラの生態と飼育管理指導)」(小沼 守 著 / インターズーオンライン 2009年)、「フェレット、ウサギ、齧歯類 -内科と外科の臨床-」(Elizabeth V.Hillyer・Katherine E.Quesenberry 編 長谷川 篤彦・板垣 慎一 監修 / 学窓社 1998年)と、どの獣医学書をみても、「チンチラは高湿に弱い」ことや、「温度に加えて湿度も同時に高いと熱射病の危険性がより高くなり、一層具合も悪くなりやすい」と書かれているので、「チンチラの適応できる温度」を考えるには、「湿度の設定」とセットで考えないといけないということなんだと思います。

では、チンチラの理想湿度についてどのように書かれているのかというと、

チンチラの「理想湿度」

チンチラの理想湿度

チンチラの故郷である寒冷で湿度が0%になることもある降水量の少ない南米のアンデス山脈地帯を思い浮かべれば、理想湿度の割合が「30~40%」というのは納得できます。

そう考えると、梅雨があったり降水量が多い日本の環境は、チンチラの故郷と比べると全く異なるんだということを、よーく頭にインプットしておく必要があると思います。

「カラーアトラス エキゾチックアニマル 哺乳類編」(霍野 晋吉・横須賀 誠 著 / 緑書房 2012年)の中で、

湿度が高いと体温が高くなるため、風通しをよくしたり、除湿器を設置するなどの工夫も必要となる。

と書かれています。

チンチラの「適応できる湿度」

チンチラの「理想湿度」を理解したところで、「チンチラの適応できる湿度」を先にみてみたいと思います。

チンチラの適応できる湿度

「チンチラの適応できる湿度は何%です。」とそのまま書かれている獣医学書は見当たりませんでしたが、「湿度を60%以下に保つ」と書かれているので、「チンチラの適応できる湿度」のことだと判断して、このようにまとめてみました。

特に日本の梅雨時期から夏、秋雨前線の時期にかけては、「適応できる湿度」を上回る日が続くので、「湿度を下げるための対策」は必ず必要だといえると思います。

 

私は、2015年にはエアコンの除湿機能を用いた湿度対策しかしていませんでしたが、2016年からは除湿機を用いた湿度対策をはじめました。

その結果、2015年と2016年ではティモの夏の過ごし方に変化が見られ、2015年では冷え冷えグッズを愛用していたティモが、2016年には1度も愛用しなくなったので、除湿機を用いた湿度対策の成果がでたんだな~と思っています。

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チンチラのための夏対策2016の評価 : 「湿度対策」と「暑さ対策」の合わせ技が成功のカギ
コロナ除湿機 CD-H1016で「チンチラのための湿度対策」実践スタート:運転音と吹き出す熱気の問題点と対応策

 

ただ、コロナ除湿機 CD-H1016で「チンチラのための湿度対策」実践スタート:運転音と吹き出す熱気の問題点と対応策 の中で詳しく書いたのですが、除湿機を用いたチンチラのための湿度対策には、「運転音」や「吹き出す熱気」のために距離を離したり、空気の通り道を作って部屋を閉め切らないなどの対策が必要となりました。

高温多湿の時期に「湿度を60%以下に保つ」というのは、除湿機を用いた湿度対策を行ってもなんとか到達できたといった具合なので、日本の高温多湿な気候は本当にやっかいだなぁと思います。

「理想環境温度」と「湿度の条件付きで適応できる温度」の両方を理解しておくと強い!

今回も長文になってしまいました。

ティモのための「季節対策」を紹介する上でも、いつも「チンチラの理想環境温度」、「チンチラの適応できる温度」、「チンチラの理想湿度」、「チンチラの適応できる湿度」が関わってくるので、ちゃんとまとめないとな~と思っていて、やっとこさ実現することができました。

既に理解できていて実践もできている方も多くいらっしゃるんだろうなぁと思いますが、私は、2016年に行った夏の対策でもまだ理想環境温度より高かったんだな・・と、また来年は見直さなくてはと思いました。

チンチラの生態のことや、「理想」環境と「適応できる」環境と、両方理解できていると、日本のように変化しやすい気候であっても迷わずに判断ができるようになるので強いと思います。

 

日々、温湿度計とにらめっこしながら、「今日は○○な日だね~」と、迷わずに対応できるようになれたらいいな~と思います。

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