チンチラにとって理想的なケージの床環境について考える
こちらはチンチラのティモのケージの2020年6月現在の床環境。
ケージに付属されている金網メッシュすのこの上に、裏面にゴム製のスポンジを貼った手作りの板材を乗せて土台とし、ティモがよくおトイレをする場所や跳び下りて着地する面には広葉樹のウッドチップを敷き、休息することが多い隅っこにはテラコッタ製のタイルを敷いています。
2014年12月に生後6ヶ月のティモをお迎えしたときには、ホイール回し車の下の辺りにおトイレを置いていて、土台にしている床板の上にはウッドチップを敷いていなかったのですが、おトイレ以外の場所で用を足すことも多かったので、よくおトイレをするところにウッドチップを敷くようにして、改善を重ねていった結果、現在の床環境に落ち着きました。
ステージやホイール回し車から思いっきりジャンプして跳び下りて、ウッドチップがドドッと散らかる様子をみていると、「ティモが安心して床面に着地できている証拠だな。。」と嬉しくなります。
今日は、チンチラのケージ床環境について書籍にどのように書かれているのか調べてみたことや、私がティモのチンチラケージの床環境を足にやさしく理想的な環境にするために工夫していることなど、チンチラのケージの理想的な床環境について考えたいと思います。
チンチラにとって理想的な床環境ってどんなもの?
私がティモのケージの床環境を考えるときに思い浮かべるのは、跳び箱を跳ぶシーンです。
ティモに愛用している『KAWAI コンフォート60シリーズ』をはじめ販売されているケージの多くには、掃除がしやすいように金属製のメッシュすのこが付属されています。
そんなふうに想像して、それって人間だけなのかな?チンチラだって痛いんじゃないのかなと・・・。
チンチラは、野生の生活下では傾斜の多い岩場に生息してきた動物だから、硬い面に着地するのは問題ないのだろうけれど、せめて平らであってほしいはずだと思うのです。
高い位置にあるステージにジャンプして上るときに足にかかる負担よりも、ジャンプして下りてくるときに足にかかる負担の方が大きいはずなので、着地面となる床環境を整えてあげることはチンチラが快適に暮らす上でとても重要なことだと思います。
チンチラの飼育本や獣医学書ではケージの床環境についてどのように書かれているのだろう?
では、チンチラについて書かれた飼育本や獣医学書では、ケージの床環境についてどのように書かれているのでしょうか?
私個人的には、どの書籍にもケージ床の金網をそのまま使わないように書かれているだろうな~と推測していたのですが、結果は異なり、「避けるべき」と書いているものもあれば、「注意が必要」と書いているものもあり、「尿や便がつかなくてよい」と書かれている書籍もありました。
おそらく、過去に実験動物の飼育について書かれた書籍を参考にしたものが混ざっているのではないかと思いますが、どのように書かれているのかを理解した上で、自分はどうするのかをじっくり考えてみるのが一番よい方法と思うので、下記に、発行年度の新しいものから順番に紹介したいと思います。
カラーアトラス エキゾチックアニマル 哺乳類編 増補改訂版
金網床の網目が大きいと跳躍した際に後肢が挟まり、骨折などの事故が発生するため注意する。 |
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ケージの中に床敷、餌容器や給水器などをレイアウトして設置する。 |
PREFECT PET OWNER’S GUIDES チンチラ 完全飼育
床は個体のライフスタイルに合わせる。 |
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ケージの底や床網に敷材を敷くと、足にも優しくより快適に過ごせる。 |
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床の敷材には、樹脂製のものやチモシーを編んだもの、また最近では吸水性が高く抜け毛を取り除きやすい、機能性の高い布地でできているものもある。 |
The Chinchilla Care Guide
ワイヤーメッシュの床は、チンチラの繊細な足に傷や潰瘍をもたらすだけでなく、小さな足がワイヤーを通り抜けて挟まってしまうとさらに悪いトラブルを招くので、可能な限り避ける必要がある。 |
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何らかの理由でワイヤーメッシュ床のケージを使用する必要がある場合は、板やタイルを敷いて足を休められるようにする。 |
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床にはウッドチップを敷いて、チンチラが排尿するときの湿気を吸収する。ウッドチップは広葉樹のアスペンや熱処理された松で作られたものでなければならない。杉や新鮮な松は呼吸器系に問題を引き起こす。 |
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おがくずは、細かいほこりがチンチラの鼻、口、肺に入り非常に危険な場合があるので、使用してはならない。 |
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ペットシーツも使用してはならない。これらの製品は膨脹して水分を吸収するように作られており、これらの製品を食べると、腸内の水分を吸収し、致命的な腸閉塞を引き起こす可能性がある。チンチラは届く範囲にあるものは何でも食べようとするので、敷材の原材料にも気を配り、害のないものを選ばないといけない。 |
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ケージ床の敷材に、フリース生地を利用することもできる。これらは厚くて吸収性のあるものでなければならず、毎日清潔なものと交換し、汚れたものは洗う。 |
Ultimate Chinchilla Care
チンチラは、骨格構造が繊細で骨折しやすい動物なので、足をひっかけて怪我をする危険性のある場所がないようにしなければならない。 |
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ケージの床はしっかりとした一枚板か、平らな床面が広範囲を占めているものを選ぶ。 |
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ワイヤーメッシュ床は掃除する上で便利なものの、動物にとって非常に痛みがあり、隙間に足を挟めてしまうと事故につながる可能性があるため避ける。 |
VEC14号特集パック チンチラの疾病(チンチラの生態と飼育管理指導)
金網の床は、足底潰瘍や骨折を生じやすくなるので使用しない。 |
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ケージの床は金網の床の上、あるいは金網の下に新聞紙を敷くか生分解性の材質で床を覆う。 |
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筆者は直接床に新聞紙や敷材を敷いて、牧草を敷き詰めるやり方を推奨している。 |
ザ・チンチラ
ケージの床は一枚板かトレーのようなものにする。 |
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実験動物に使うような金網やすのこは絶対に避けるべきである。 |
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金網やすのこの上で走ったり跳ねたりして、足を引っかけて骨折する事故がしばしば報告されている。足の裏に床ずれのようなただれができるという報告もある。 |
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床敷きに最もよいと思われるのは、加熱処理された木材の「チップ」である。 |
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木材のチップは柔らかくてチンチラの足にやさしい。吸収性もよく、尿やこぼれた水を吸収して臭いを抑えてくれる。チンチラが食べても消化可能なので害にはならない。 |
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杉やその他の針葉樹の木材には揮発成分が含まれており、肺炎、肝炎、腎臓炎などの病気を誘発する。熱処理で揮発成分をとばせば安全なので、必ず加熱処理済のものを選ぶ。 |
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爬虫類の床敷きとしてT-Rex社から販売されているココヤシの実の殻を刻んだものも吸収性にすぐれ、食べても害にならないので、入手可能であればチンチラ用に使ってもよい。 |
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枯れ草なども床敷きとして適していない。殺虫剤が残っていると危険で、吸収性もあまりよくなく、濡れるとカビが生えてしまい、頻繁に全部取り替えなければならない難点がある。 |
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わら半紙のように、印刷されていない吸収性のある紙や、ペーパータオル、ペーパーナプキンなども毎日のように取り替えるはめになるものの、使えないことはない。 |
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新聞紙は避ける。新聞紙を薦める本もあるが、インクにはさまざまな化学物質が含まれており、食べてしまったときの影響が怖い。すぐに悪影響が表れなくても、チンチラの体内に蓄積される可能性がある。 |
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新聞紙と同じ理由で猫トイレ用の紙ペレットも使えない。固まるようにいろいろと化学物質で加工されているので、不適当としかいえない。 |
動物看護学全書-14 エキゾチック動物の看護
床も金網製にすれば尿や便が体につかない。 |
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飼育箱の下に、受け皿を置いておくと、掃除がしやすい。 |
– わが家の動物・完全マニュアル - チンチラ
ケージの底に付いている網は、ケージの中で飛び跳ねて遊ぶチンチラが足を引っかけたり、足の裏を痛めることがあるので、取り外す。 |
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ケージの床には床敷き材を敷き詰める。 |
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床敷き材には、干し草やウッドチップが適している。ウッドチップはスギやマツなど針葉樹製のものはアレルギーの原因となる場合があるので避け、ポプラなど広葉樹製のものを選ぶ。 |
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新聞紙やペットシーツ、布類などは、チンチラがかじって食べてしまう危険があるので避ける。 |
The Joy of Chinchillas 日本語版
金網の床の上に新聞紙を敷いたり、金網の下に敷いたり、生分解性の材質で床を覆うなど、人によってケージの床に様々な物を使っているが、どれも問題なく使用できている。 |
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チンチラは平らな休む場所や動き回る場所がないと、後ろ足の裏に金網などへの圧迫による外傷を生じやすくなる。 |
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床が金網のケージは、赤ちゃんにとって非常に危険である。そのため、床には上から新聞紙を敷いておくとよい。 |
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金網の床で飼育し、足にけがをした例も知られている。 |
カラーアトラス エキゾチックアニマルの診療指針
床の網目が大きいほど、ジャンプしたとき足がはさまれて折れることが多くなるので注意する。 |
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干し草やコーンチップ等を床材として使用してもよい。 |
げっ歯類の臨床
床もメッシュとし、尿や便が下のトレーに落ちるようにしておくとよい。 |
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板状の床にすると、糞便汚染と、それによる疾病拡散のリスクを高めることになる。また被毛の着色も起きやすい。 |
フェレット、ウサギ、齧歯類 -内科と外科の臨床-
床は、床板があってもなくてもよい。 |
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飼育箱の下に、受け皿を置いておくと、掃除がしやすい。 |
チンチラにとって理想的なケージ床環境を考える上で重要なポイント
前項で紹介した、私の手元にあるチンチラの飼育書や獣医学書を読んで、使用してもよいとされる床敷材が異なっていたり様々だな~と感じましたが、私なりに要点をピックアップして、これはクリアしなければならないことだなと感じたことをまとめると、
チンチラにとって理想的なケージ床環境を考える上で重要なポイント
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となるかなと思います。
金属製のメッシュすのこは、動物の便や尿が隙間から下に落ちて掃除がしやすいということが一番の利点なので、それを利用しなければ掃除の手間は増えると承知しておく必要があると思います。
本来、チンチラが暮らしてきた野生の生活環境に近い環境を再現してあげるのが一番理想的です。
金属製のメッシュ床は野生の生活下の環境から程遠いのだから、適しているとはいえません。
次項では、掃除の手間はできるだけ減らしつつ、清潔感が保て、チンチラの足にやさしい床環境のつくり方について私が実践していることをお話したいと思います。
チンチラにとって理想的なケージ床環境をつくるために工夫していること
ティモにとって理想的なケージ床環境をつくるために、私が課題としたことは、
私がティモのチンチラケージの床環境づくりで課題としたこと
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せっかくチンチラにとって理想的な床環境をつくれても、継続してキープしていけなければ意味がありません。
そう考えると、どのくらい時間をかけられるかとか、どのくらい費用をかけられるかなど、自分が継続してできる範囲を考えてみることも大切です。
「KAWAI コンフォート60」シリーズのケージに合わせた床板づくり
床板の素材選び
まずは土台となる床板をどうするか?です。
金網メッシュ床の上に敷いて使える床材として販売されているものは、木製や樹脂製のすのこ、チモシー製のマット、布製のマットなどがありますが、床の隙間を全て覆うことができるものと条件をつけると、販売されているものの中では、チモシー製のマットを並べるか布製のマットを選ぶかのどちらかです。
チモシー製のマットや布製のマットは、ティモの移動用キャリーの床材として使用したりしていますが、1、2時間の使用でも、尿や給水ボトルの水が垂れたりして湿った状態となり、その上にうんちが重なり、さらにはティモの足で潰されて、結構汚れた状態になります。
平らな床面のデメリットは、その上でうんちをすると、うんちが凸と盛り上がった状態になるので、踏んだときに足底についてしまったり、潰されたうんちが床面にくっついて汚れた環境になりやすいことです。
そうならないようにするためには、ウッドチップや床敷材用の干し草といった細かく刻まれた床敷材を敷いて、うんちの凸を減らすのが一番です。さらに、床敷材が尿だけでなく、うんちに含まれている水分も吸い取ってくれるので、踏んでも潰れないカチカチに乾燥したうんちの状態になるスピードが早いです。
このような理由で、私は床敷材を敷きたかったので、床敷材を敷きやすく、掃き落としやすい木材を素材に選び、表面が綺麗で安価なシナ版画板を床材にすることにしました。
シナ版画板は、芯材の両面にシナ材を接着してあって無垢材ではないことから、食べても安心なものという条件は満たしていません。
理想的には無垢材がよいのですが、汚れたと思ったら気軽に新しいものを購入できる価格のものにしたかったので、床敷材を敷いたりケージアイテムを配置してシナ版画板の端部がティモから見えないように工夫することにしました。
用意するもの
ティモが愛用している「KAWAI コンフォート60 ハイルーフタイプ」のケージ床に合わせて床板を手作りするために用意したものは、2種類の指定したサイズにカットしてもらったシナ版画板(厚さ4mm)を計6枚と、粘着シール付きの天然ゴムスポンジ(厚さ10mm)です。
天然ゴムスポンジはカッターで簡単にカットできるので、サイズは金網メッシュ床の上に敷くシナ版画板2枚分の大きさ以上になるように用意します。
小さいサイズの方が比較的安価で手に入りやすいので、私は200mm角のものを6枚用意しました。
通販サイトで材料(同等品)を購入するならこちらがおすすめ
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北零WOODさんは送料がかかるものの、通販サイトでオーダーサイズカットを追加料金なしで受けてくれる有難いお店です。北零WOODさんで取り扱われているシナべニヤには「準両面製品」と「片面製品」の2種類があって、こちらは準両面製品です。裏面に天然ゴムスポンジを貼って使う土台となる床板づくりにはこちらのほうが向いているかな?と思います。 |
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北零WOODさんで取り扱われているシナべニヤには「準両面製品」と「片面製品」の2種類があって、こちらは準両面製品と片面は同一品質ですが、もう片面は節や空き、ハギ等が多く、サンダーがけをしていないため、表面としては使用できないものの少し安く販売されている商品です。重ねて使う汚れを受ける床板づくりでは、こちらでもよいかな?と思います。 |
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シナ版画板を6枚用意した理由
シナ版画板を6枚用意したのには三つ理由があります。
一つ目の理由は、ケージ床の幅の半分のサイズで用意して2枚を横並びにして使用するためで、幅が半分の大きさになれば、お掃除の時に斜めにして取り出しやすくなります。
二つ目の理由は、床板を2枚重ねにして、下になる方の天然ゴムスポンジを貼りつけた床板を長持ちさせるためです。
金網メッシュすのこの上にシナ版画板を直接敷くと、ティモが降りてきたりしたときに摩擦音が生じる可能性があります。また、木材と金属がぶつかりあう衝撃がティモの足にも伝わってしまいそうです。
ティモが走り降りてきたときに、床面はしっかりとした安定感がありつつ適度な弾力があれば、足にかかる負担を軽減させてあげられるんじゃないかな~と思います。
そこで、金網メッシュすのこに直接乗せる方の床板の裏面には、防音と衝撃を吸収するために、天然ゴムスポンジを貼りつけることにしました。
こちらは交換用は用意せずに繰り返し使いたいので、出来るだけ汚さずに保つ必要があります。サイズを少し大きくした床板を上に重ねておけば、下になる方の床板は汚れを受けにくくすることができます。
そして三つ目の理由は、汚れを受ける上板をお掃除の度に、舐めても安心な消臭洗浄液をスプレーして乾かして使いたいからです。余分に用意しておけば、お掃除の度に交換して乾かし交互に使うことができます。
重ねて使う床板は上になる方を一回り大きなサイズで製作するのがおすすめ
床板を2枚重ねにする前提で木材を指定サイズカットする場合、上になる方の板を大きめ、下になる方の板を小さめにして、サイズに差をつけるのがおすすめです。
『KAWAI コンフォート60』シリーズの場合、金網メッシュすのこを手前に引き出せるようになっていて、奥には金網メッシュすのこを固定するための突起がついています。
下になる方の床板は、この突起を避けるために床面積よりも少し小さく作る必要があるのですが、それと同じ寸法で上板を作ってしまうと、隙間が大きく残ってしまいます。
また、下になる方の床板には排尿の汚れをできるだけ受けずに清潔に保ちたいという観点からも、上板よりも少し小さめに作っておいたほうが、上板の隙間から尿が下に垂れてきたときに汚れを受けにくいという利点があります。
とはいっても、100%汚れないというわけではないので、消耗品として汚れが目立ってきたら作り直す必要がありますが、ほんの数ミリの差でも同じサイズで作っていたころよりは格段に汚れを受けなくなりました。
土台となる下板の裏面に天然ゴムスポンジを貼る際のポイント
それと、もう一つ。
下になる床板の裏面に天然ゴムスポンジを貼りつける際は、ピッタリのサイズで貼りつけずに、四方に少し空きを作って小さめな面積に貼るのがおすすめです。
お掃除の時に取り外したり、設置しなおしたりしている過程で、片方のみ敷いている状態になったときや、金網メッシュすのこなどを掃除するために立てかけておいたりしたときに、ゴムスポンジを齧ろうと狙ってくることがしばしばあるからです。
慌てて阻止する前にゴムスポンジを噛み砕いてしまうので、少し小さめに貼りつけておけば噛みにくくなり、予防として有効です。
食べても安全な床敷材を敷いてチンチラにとって理想的な床環境づくりの仕上げ
こちらは、私が1日2回のチンチラケージのお掃除の度に行っているティモのケージ床環境を整える順番を左上を先頭に並べたものです。
手作りの床板を敷いたあとは、テラコッタ陶芸教室に通い続けてつくった砂浴びボックスを戻し、よくオシッコをする場所には重ねるようにウッドチップを敷き、同じくテラコッタ陶芸教室で手作りしたテラコッタ製の棒状のバーなどを置いたり、ウッドチップを敷き詰めて仕上げています。
ティモをお迎えした時には、チンチラケージの1Fにおトイレを用意していたのですが、床面でおトイレをすることも多かったことと、引っ張り出していたずらすることが多くなってきたことから撤去して、広々したところに、テラコッタを敷いた今のスタイルになりました。
ティモのケージ床環境づくりの仕上げで工夫していることは、
ケージ床環境づくりの仕上げで工夫していること
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ケージ奥のホイール回し車の下は、ティモがオシッコをする場所でもありますが、休憩することも多いお気に入りな場所なので、テラコッタ製の棒状のタイルを並べる前にウッドチップを敷いて、隙間から垂れてくる尿を吸い取れるようにして、入り隅にはウッドチップをこんもりと積み上げて敷いています。
ティモは素焼きの植木鉢のような、マットな手触りの自然素材でできたアイテムが大好きで、へやんぽコーナーでも休憩するときにはテラコッタの上で過ごすことが多いです。
吸収性が高いので尿もすぐに吸収してくれます。
吸収性のあるタイルに尿を吸い取ってもらうことには賛否両論あるかと思いますが、私は1日2回のお掃除の度に、舐めても安全な消臭洗浄液をたっぷりスプレーして、拭き取って使用しています。
余分に用意してあるので、たまに水を溜めた中に浸してしばらくおいてから天日干ししたりしているので、衛生的にも問題ないレベルでは保てているんじゃないかな~と思っています。
なお、三晃商会さんの商品でも「テラコッタ」と名前のついた商品がありますが、自然素材だけで作られたものと手触りが違うな~と感じています。旧タイプの『三晃商会 涼感テラコッタ』を使っていた時期もあるのですが、ティモはあまり好んで寄ってきませんでした。
また、平らなテラコッタタイル等を敷く面積が多くなればなるほど、うんちを踏んで足裏にくっついてしまったりする頻度も増えてくるので、なかなかバランスが難しいところでもありますが、もし似たような素材のものをお探しの場合は、稚内珪藻土のプレートあたりがいいんじゃないかな~と思います。
通販サイトで自然素材でできたタイルを購入するならこちらがおすすめ
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珪藻生活さんで販売されている、稚内珪藻土100%の焼成プレートです。稚内珪藻頁岩は調湿機能や脱臭作用にも優れていて、私も大好きな素材のひとつです。サイズ違いもありますが、小さいタイプの方が組み合わせ方によって様々な使い方ができてよいんじゃないかな~と思います。 |
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幅:210 奥:105 厚:10mm 材質:稚内珪藻土 裏面にコルク付 |
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ティモのチンチラケージのお掃除に愛用している消臭洗浄液
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【使用期間】2014.12.13 ~ ティモをお迎えしたときから、ずっと愛用している消臭洗浄液です。ボトルは原液で500ml入っており、水で8倍に薄めて使います。過去に抗菌タイプも試したことがありますが、効果は消臭程度であっても、無臭で舐めても安心な方がチンチラにはいいなと思うので、ずっとこちらを愛用しています。楽天お買い物マラソン・スーパーセールのときにお得に購入できることが多いので、そのタイミングで3本まとめて購入しています。 |
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主成分:DLリンゴ酸ナトリウム、乳酸ナトリウムなど 品質保証期間:購入後6ヶ月間 |
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楽天市場 |
チンチラのケージ床環境に適した床敷材選び
チンチラのケージ床環境について飼育書や獣医学書にどのように書かれているのかを紹介した前項で、床敷材についてもどのような素材が良いと書かれているのかを紹介しましたが、結構書かれていることに幅があるな~と感じました。
床敷材の候補となる素材別に前項で紹介した書籍を参考にしながら、下記に要点をまとめたいと思います。
ウッドチップ
【メリット】
食べても無害。吸収性・吸臭性に優れている。排尿で汚れた場所が見てわかりやすく、交換が容易。自然素材のため精神的にリラックスさせる効果がある。
【デメリット】
針葉樹は広葉樹に比べて結膜炎や皮膚炎などのアレルゲンとなる可能性が高いといわれているため、アスペンや白樺といった広葉樹のウッドチップを選ぶことが推奨されている。
針葉樹の放出する芳香族炭化水素が動物の身体へ及ぼす悪影響が唱えられているが、この芳香族炭化水素は熱処理によって軽減されるため、加熱処理されたウッドチップであれば針葉樹のものも使用可能。
針葉樹の芳香族炭化水素とは別に、ウッドチップに含まれる微細な粒子の粉塵は、角膜を傷つけたり、呼吸器疾患を引き起こす可能性がある。粉塵は出来る限り取り除いて使用することが望ましい。
干し草(乾草)
【メリット】
食べても無害。草食動物にとって乾草やワラを床敷きとして敷き詰めることは精神的にリラックスさせる効果がある。
床敷材に適した乾草とは、バミューダグラスのように水分を吸収しにくい特性をもち、排尿を吸収せずに下へ落としてくれるものが望ましい。
【デメリット】
ふん尿で汚れた乾草を食べてしまう可能性があるため、頻繁な交換が必要。
排泄物で汚れたところから微生物が増殖したり、アンモニア臭が発生する可能性がある。
食事として与えた乾草をどれくらい食べたのかがわかりにくく、健康管理が行いにくい。
乾草の中には硬い茎なども含まれているため、ジャンプして降りてきたときなどに先端が尖った茎で角膜や皮膚を傷つけてしまう可能性がある。
コーンチップ
【メリット】
トウモロコシの穂軸を切断して乾燥させたコーンチップは食べても無害。吸収性に優れ、アンモニアなどの吸着性も優れている。
【デメリット】
価格が高め。取扱店が少ない。
排泄物で汚れたままにしているとカビが生える可能性があるため、頻繁に交換する必要がある。
布・フリース生地
【メリット】
簡単に敷くことができるので、移動用キャリーなどの短時間の使用に向いている。
肌触りが柔らかい。
【デメリット】
食べると有害。消化管閉塞を起こすおそれがある。
排泄物で汚れやすく湿った状態となるため、被毛への着色や足底への細菌感染のリスクが懸念される。
清潔に保つためには、余分に用意し、洗濯してよく乾燥させたものに毎日交換する必要がある。
ペットシーツ
【メリット】
病気や怪我などにより出血がないかどうか、尿に血が混じっていないか等を確認する目的で使用するのに向いている。
【デメリット】
食べると有害。消化管閉塞を起こすおそれがある。
新聞紙
【メリット】
入手に費用がかからない。
【デメリット】
食べると有害。インクにはさまざまな化学物質が含まれている。
排泄物で汚れた状態になると、被毛への着色や足底への細菌感染のリスクが高い。
どの素材をとってみても、一長一短あります。
どのような床敷材が最も適しているのかは、個体の年齢や性格、生活環境などによって、それぞれ個々に異なるんだと思います。
ティモの場合は、何でも齧って口に入れようとする性格なので、食べても無害な自然素材が適しており、牧草をどれくらい食べたのかわからなくなってしまうと問題なので、ウッドチップを選びました。
ウッドチップは吸収性がよく、オシッコをした場所が一目でわかるので、交換の必要がある場所がすぐわかります。
私はチンチラケージのお掃除の時に、まだ使えそうな汚れていないウッドチップを袋に取っておき、お掃除が終わって仕上げにウッドチップを敷くタイミングで、とっておいたウッドチップを先に敷き、足りないところに新しいウッドチップを追加して敷くようにしています。
また、一つ一つが軽くて小さいので、ティモの被毛が濡れていたり水分を含んだ汚れがあるとくっついて水分を吸収してくれます。
次第に水分が吸収されるとポロッと落ちてくれるので、ティモの被毛がオシッコ等で着色されるということは全くありません。
この点もウッドチップを床敷材に選んでよかったな~と思える一つのメリットです。
ウッドチップを床敷材に使用する場合は微細な粒子の粉塵に注意!
ティモのケージ床敷材として愛用しているウッドチップですが、使用する際に注意したほうがいいな~と思うポイントが一つあります。
微細な粒子の粉塵(おがくず)の存在です。
過去に、今まで使用したことのなかったウッドチップをティモのケージ床敷材に試してみたところ、ティモの小さなお鼻から「ピーピー」とかすかな音が聞こえるようになり、くしゃみを連発したことがありました。
はっきりとした原因はわかりませんが、個人的にはウッドチップに微細な粒子の粉塵が多く含まれていて、ティモが吸い込んでしまい、呼吸器疾患の初期症状を引き起こしたのではないかと思っています。
後日、ザルを用意してティモがくしゃみを連発したのと同じ商品をザルで漉し、微細な粒子の粉塵等を含む細かなチップを漉し落としてから、床敷材として使用してみたところ、ティモがくしゃみをしたり異常な呼吸音が聞こえることもありませんでした。
それまで、私は「広葉樹」かどうかということばかり気にして商品選びをしていたのですが、広葉樹だから安心ということはなくて、広葉樹であっても針葉樹であっても、微細な粒子の粉塵(おがくず)が呼吸器に及ぼす悪影響は無視できないなと思いました。
また、ギュッと圧縮されたウッドチップをほぐしてよくみてみると、先端が尖った木片が含まれていたり、砂利が含まれていることもしばしばありました。
日常的にほぐして使用するだけでは見落としてしまうことが多く、健康面を考えても安心して使用できるようにしておきたいなと思ったので、今ではウッドチップを買ったらザルで漉して袋にストックしておくようにしています。
ティモに使用してきたウッドチップの履歴は下記のとおりです。
画像で紹介しているもの以外にも試したものは色々あるのですが、現在は『三晃商会 広葉樹マット』に落ち着いています。
『三晃商会 広葉樹マット』にも微細な粒子の粉塵は含まれているので、取り除くためにはザルで漉す手間が必要という点では他の商品と同様ですが、ギュッと圧縮されていないので、ほぐすのにかかる時間を大幅に短縮できるメリットがあります。また、価格は控えめな割に、削り損ねた木片などの異物が含まれていることが少なく、安心感があります。
毎日使うものだから大量にストックしておきたいな~と思って、私は約13.6kg入りの業務使用専用品を購入していて、少なくなってきたな~と思った頃に買い足しているので、使い切るまでにかかる期間ではないですが、約3ヶ月に1回くらいの頻度で購入しています。
ティモのチンチラケージの床敷材に愛用している『三晃商会 広葉樹マット』
さいごに
この記事では、チンチラにとって理想的なケージ床環境について飼育書や獣医学書にどのように書かれているのかを紹介したうえで、私がティモのケージ床環境づくりで工夫していることをお話させていただきました。
チンチラにとってどのような床環境が一番理想的なのかは、年齢や性格、生活環境など様々な要因によって個々に異なるので、ティモのケージ床環境だけではなく、理想的なケージ床環境のかたちはいくつもあるんだと思います。
ケージ床環境を整えてあげることは、チンチラの健康を守るうえでも、暮らしを豊かにする上でも、とても大切なことだと思います。
お掃除をできるだけしやすくしたいといった飼い主側の事情も考えるべき一つのポイントではありますが、チンチラちゃんにとって何か問題はないのかな?と、お互いにとって最適なケージ床環境を考える参考になれたらいいな~と思います。