チャタテムシ現る
「チャタテムシ」ってご存知ですか?
チャタテムシ目に属し、不完全変態をする小型昆虫で世界に約2600種が知られ、多くは亜熱帯地域などに生息しています。
翅を有するものと無いものといて、日本に生息している主な種類はコチャタテ科のコチャタテと、コナチャタテ科のカツブシチャタテ、ヒラタチャタテ、ウスグロチャタテ、ソウメンチャタテが知られているそうです。
好物は「カビ」。
温暖多湿の暗いところを好むその虫は、なんと日本では90%以上の住まいにも生息していて、書籍や動植物質標本、皮革、各種所蔵食品などに発生したカビを食べて生活しています。
そんなチャタテムシがティモの部屋にも生息していると知ったのは昨年の夏頃のことでした。
チャタテムシがティモの部屋にも生息!
昨年の同じくらいの季節、じめじめと湿度が高くて気温も高いとある日。
ティモの飼育日誌を手に取ったら、紙の上をトコトコと全長1~2mmの虫が歩いていました。
小さくってうまく写真が撮れない!!ということで描いてみたイラスト。。
上手ではないけれど、イメージは伝わるじゃろう~ということで (汗っ) 。
こんな感じです。
名前もわからないし調べるのは難航するかなぁ・・と思ったけれど、日本全国どこの家庭にもほぼ生息しているといわれているだけに悩んでおられる方も多いようで、簡単にその虫の正体が「チャタテムシ」だと知ることができました。
調べた画像と照らし合わせてみると、「コナチャタテ科のヒラタチャタテ」が一番似ているので、おそらくヒラタチャタテだと思われます。
チャタテムシの住処になってしまったもの
この前はたまたま紙の上を歩いていたけれど、どこに居たんだろう? もっと沢山いるんじゃないか・・・?
と心配になってあちこち調査してみたところ、部屋んぽエリアに置いているトンネルの下で数匹みつけました。
どちらにも共通しているのは植物を編み込んで作られているということ。
公益財団法人 文化財虫菌害研究所の「文化財の虫菌害」No.63 (平成24年6月号)の「昆虫学講座 第6回 シミ目、チャタテ目、チョウ目」の中で、ヒラタチャタテについて、
一般家屋では書籍や乾燥標本、畳の下や引出しの中などで発見され、糊付けした紙を好み、これに生じたカビを食べるが、被害は軽微である。博物館、美術館などでの発生頻度はかなり高く、とくにわら製の文化財に発生することが多い。
と書かれています。
全く違うけれど、「わら製の文化財に発生することが多い」というのが、ティモのトンネルに発生したことと関連がありそうだなぁ・・。
カワイ わらっこ倶楽部 トンネルハウスは、アジアンビタチモシー製。 カワイ わらっこ倶楽部 バナナの南国トンネル ロングは、バナナの茎で出来ています。
そして、どちらもほどよい隙間があって、梅雨時期は多湿の状態になるので住処にするにはちょうどよかったのかも。。。
主食が「カビ」ということは、2つともカビが生えてしまったということなのでしょうか・・・。
さらにチャタテムシを喜ばせてしまったもの
そして・・、今でも忘れることができないぞっとした光景・・。
部屋んぽ中にティモが食べるペレットのぽろぽろと落としてしまった食べかすに推定20匹くらい群がっていて、私がみつけると四方八方にあたふたと逃げて行ったのです!!
キャーー!!!
「カビ」を食べるというけれど、ペレットも食べるの!!??
いやいや、それとも、ペレット自体にカビが生えてしまっていたの!!??
ペレットはアルミのチャック付袋に入れて冷蔵庫に保管しているので、保存方法に問題があったとは考えにくいです。
ただ、賞味期限が短く開封後3か月以内に食べきるよう書かれているので、いつもその範囲内で食べきれる分量だけを与えていますが、賞味期限内でもカビが生えることもあるということなのか・・?
うーーん。それとも食べかすが掃除されないで残っていてカビが生えてしまったのか・・。
真相はわからず仕舞いだったのですが、覚えているのは明らかにペレットの食べかすを楽しみに住処からでてきて食べていたということ。
部屋んぽが終わり照明が消され、人の気配がしなくなってから、いそいそとわらっこ倶楽部のトンネルから出てきて食べかすをむしゃむしゃと食べ、またトンネルの隙間に戻ってのんびり過ごしていたに違いありません。
うむむむむー。
発見して以来、ペレットを食べるときに落ちる食べカスはその都度さっさと掃除するようにしたので、ペレットの食べかすに群がる様子をみることはなくなったものの、それでもゼロではなく、チャタテムシを全く目撃しなくなったのは冬本番になった頃のことでした。
そんなチャタテムシ奮闘記2015。。
春が来たころから「またチャタテムシが出るんじゃないか・・?」とそわそわ、そわそわ。。
度々、わらっこ倶楽部のトンネルを振ってみては床に落ちているチャタテ野郎はいないか確認し続け・・。
2016年7月9日。
今年初めてチャタテムシを2匹、カワイ わらっこ倶楽部 バナナの南国トンネル ロングで発見しました。
そもそも、どうやって発生したのでしょう?
これまた謎なのですが、最初の1匹はどうやって発生したのでしょう?
日本のほとんどの家屋に生息しているのだから、家の中のどこかからトコトコと歩いてティモの部屋まで旅をしてきたのか?
または、風で飛ばされてきたのか??梱包されて届いた宅急便についていたのか・・?
いくらでも可能性はありそうですが、何故取り除いても取り除いてもまた目撃してしまっていたのかというと、
ヒラタチャタテはみーんな雌で卵を産むからです。
公益財団法人 文化財虫菌害研究所の「文化財の虫菌害」No.63 (平成24年6月号)の「昆虫学講座 第6回 シミ目、チャタテ目、チョウ目」によると、ヒラタチャタテは、
完全単為生殖で雄は存在せず、処女生殖で繁殖する。夏季に大発生することがある。わが国におけるコナチャタテ科の中では最も多い種といわれ、家屋内で普通に見られる。
成虫の寿命は長く、6か月前後で、約200個の卵を産み、卵は10日前後で孵化し、幼虫期間は10日内外である。
と書かれています。
そりゃぁ、増えるわけだ。。
退治を試みる
大発生にならないように、今すぐ、今すぐに退治したい。
ティモもいるのに薬剤は使いたくないなぁと思い、布団乾燥機にかけてみたらやっつけれれるのでは?と、
えっせえっせとカワイ わらっこ倶楽部 トンネルハウスとバナナトンネルを不織物で包んで布団乾燥機の洗濯物用カバーに入れてっと。
スイッチオン。
一番最強の冬モードで2時間フル稼働して。。
ダニも退治できるんだから、チャタテムシも退治できるはずだーーー。
へっへっへ。参ったか~。
布団乾燥機でもやっつけられない!
と。。2時間経って運転が終わった後に、カワイ わらっこ倶楽部 トンネルハウスとバナナトンネルを取り出して、ゆっさゆっさと揺らし叩いてみると、ポトっとチャタテムシが1匹落ちてきました。
じーっと視線を送り続ける私。
とでもいわんばかりに、トコトコと歩き出しました。
うーん。。
退治方法について調べてみると、とにもかくにも除湿機などを用いて湿気を取り除きカビを発生させないように換気をすると書いてある記事が多いですね。
公益財団法人 文化財虫菌害研究所の「文化財の虫菌害」No.63 (平成24年6月号)の「昆虫学講座 第6回 シミ目、チャタテ目、チョウ目」によると、
とくに乾燥に弱く、30~40%R.H.(相対湿度)以下では生存できない。
のだそうです。
この時期に室内の湿度を30~40%以下にもっていくことなんてできるんだろうか?
難しすぎる・・。
結 論
スパっと解決策が見いだせなくて残念だけれど、私なりの結論。
「地道な努力にて、大量発生を防ぐ以外に道はなし。」
です。
既に除湿機を使って湿度対策は始めているものの、チャタテムシを発生させないほどの効果はないので、
温暖多湿の時期はより一層掃除の頻度を増やして、持ち運びできるアイテムはたまに屋外に出して天日干しして風に当ててみたりする以外にないのかなぁと思いました。
そうこうしてみても、ゼロにするのはとっても難しいんだと思います。
私の目標。
「昨年よりも発見する数を減らせるようにする」
いかにして発生を防げるか鍵になると思うので、繁殖させないように掃除の回数を増やさねばと思っています。