チンチラのグルーミングには櫛がおすすめ!櫛留商店さんで見つけた一寸余りの本つげ櫛
私の手にちょんと乗った、幅約4cmの小さな櫛。
日本橋三越本店で今年1月に開催された、「日本の職人 匠の技 展」で出会った、櫛留商店さんの本つげ櫛です。
こんなに小さいのに細部まで少しの狂いもなく丹精込めて作られたこの櫛は、人のための櫛なのですが、
「ティモのお世話役として長い年月を一緒に歩んでほしい」と願いを込めて、ティモへのプレゼントとして購入させていただいたものです。
櫛留商店さんの本つげ櫛
この度のご縁を下さった、日本橋三越本店の「日本の職人 匠の技展」は、年に2回開催されていて、開催時期は夏は6月末から7月初めまで、冬は12月末からお正月の間です。
今回の開催は、6月28日から7月4日までとお葉書を頂いたので、半年ぶりに本つげ櫛を持って行って参りました。
今回の日本の職人 匠の技 展のポスターには、櫛留商店の三代目 森 信吾氏と四代目 英明氏 親子のお写真も紹介されていて、私まで嬉しくなってしまいます。
櫛留商店さんは、日本で唯一、相撲櫛を製造納入されていて、歌舞伎櫛、芝居櫛、日本髪櫛などプロの世界で愛用されている櫛を造られている、創業明治36年の老舗です。
櫛の材料は、国産の「ツゲ」材で、櫛には最も適した最高の木材で、木目が細かく、美しく、堅くて油もあり粘り気があるのが特徴なのだそうです。
つげ櫛の歴史は古く、万葉集でもうたわれていて、飛鳥時代や奈良時代の城跡からも出土されているのだそうです。
つげ櫛になるまでの制作工程は10以上におよび、櫛留商店さんならではの丁寧な仕上げによって、静電気が起きにくく、髪を痛めず毛根に心地よい刺激を与えることができる櫛になってくれます。
何とも美しい櫛の数々。。
永く使用していくと、油がしみこみ艶のある色になるのだそうです。
三代目、森 信吾氏が愛用している櫛も見せていただきましたが、色はこげ茶色に近くべっ甲のような艶があって、別物に見えました。
聞いてみると、36年愛用されているのだそうです。。おぉぉー。
櫛留商店さんのものづくりにかける取り組み、本つげ櫛の歴史を知れば知るほど、こだわりの逸品をティモに使わせて頂いているなぁと恐れ多くも、
「一生大切に使わせていただきます!」と決意をあらたにする所存です。
チンチラにグルーミング、ブラッシングは必要なのか?
そもそも、チンチラに飼い主によるグルーミング、ブラッシングが必要なのか?という疑問。
2002年に誠文堂新光社から発行された「ザ・チンチラ」の中で、リチャード C.ゴリス氏は、
砂浴びを正しく、頻繁に行えていれば、飼い主によるグルーミング、ブラッシングはまったく必要ないと思う。
と述べています。
だいぶ以前に発行された本ですが、その当時でも飼い主によるグルーミングを盛んに薦める文献は色々あったのだそうです。
飼い主によるグルーミング、ブラッシングについては、賛否両論あるというのは今も昔も同じなんじゃないかなぁと思います。
私個人的には、
「必要なのかどうか?」という問いだったら、「必要ではない」と、
「したほうがいいかどうか?」という問いだったら、「喜んでくれるならしてあげたほうがよい」
と思っています。
優先順位はあくまでも砂浴びが1番で、「砂浴びを正しく、存分にさせてあげること」が被毛にも健康にも、ストレスも発散できる最もよい方法です。
ブラッシングを喜んでくれるまでの道のり
「ブラッシングを喜んでくれる」
喜んでくれないなら、必要がないものを無理にすることは何のメリットもありません。
毛並みを整えるとかの目的よりも、痒いところを掻いてあげるための道具として、さらに皮膚に程よい刺激を与えられて血行を促進できて、マッサージにもなったらいいなぁ。。
と、私が考えるグルーミング、ブラッシングの目的は心理的な心地よさを与えたいというのが大きな目的でした。
「ブラッシングは気持ちいいんだよ。ティモが届かないところも掻いてあげられるんだよ。」
そうわかってもらいたい。
そのために、まずはブラシを目でみて「見慣れる」ところから始めました。
使い始めたのは三晃商会さんのラビットブラシ
当時使っていたのが、三晃商会さんのラビットブラシ。
目の前に置いて見せて、興味をもってもらう。。
「くんくん、これなぁに?」
と齧ってみることもありましたが、噛みちぎって食べられると困るのでそこまではさせませんでしたが、
すぐに取り上げたりはせずに、匂いを嗅いで、手で触れて、口に入れてみて・・ということもわざと体験してもらいました。
安全で、自分に危害を与えるものではないんだなとわかってもらう。
そして、体にあててみて、ちょっと梳かしてみる。
首のまわりは手で掻いてあげると喜ぶエリアなので、首のまわりを中心にちょっとずつ、ちょっとずつ。。
力加減も、皮膚に届くまで入れるのではなくて、毛先を風がぬけるくらいの、ほんのちょっとだけです。
そうやってちょっとずつ、ちょっとずつ。。
そうして、時は流れ・・・。
首のまわりは「気持ちよい」とわかってもらえるまでになりました。
それもブラッシングする度にそう思ってもらえるわけではなく、機嫌がよいときはやらせてくれるという程度。
首のまわり以外は、「ブション、ブグォン」と鳴いて、やらせてくれませんでした。
櫛留商店さんの本つげ櫛を使い始めて・・
そうして出会ったのが櫛留商店さんの本つげ櫛です。
櫛留商店さんの本つげ櫛に変えてみて、大きくかわったこと。
それは、機嫌に左右されずに、ブラッシングをさせてくれるようになったことです。
さらに、ブラッシングさせてくれるエリアも三晃商会さんのラビットブラシのときは首のまわりのみでしたが、お尻のモコモコ部分を除いてどこでもさせてくれるようになりました。
トロ~ンとした表情で何とも気持ちよさそう。。
大人し~く、じーっとしています。
最近ではアピールポイントでもブラッシングを喜ぶようになったティモ。
私個人的な意見ですが、スリッカーブラシよりも櫛型のタイプの方が、皮膚を傷つけることもなく、抜けているわけではない毛まで引っ張って一緒に抜いてしまうことが少ないので、適しているんじゃないかと思っています。
私自身も櫛の使い方のコツを覚えて、角度を変えてみたり、力加減を調節してみたりと小技も使えるようになりました。
一通りブラッシングした後。
この写真のときは、ちょうど季節の変わり目で毛が生え変わる時期だったので、抜け毛が多いときでしたが、一通りブラッシングが終わって櫛についた毛の量はこのくらいでした。
グルーミングサービスを受けて、綿あめみたいにいっぱい毛がとれた!!というのは、抜け毛だけではなく健康に生えている毛も一緒にからみとっているからだと思います。
湿度の高い日本では、毛の量が少なくなれば涼しく感じられてさっぱりするのかもしれないですが、チンチラの身になって考えてみたら適したお手入れなのかどうか・・。
本当に賛否両論あるなぁと思います。
ただ、夏時期や遠方から長時間かけてはるばる連れて行ってまで、グルーミングサービスを受けるべきとは到底思えません。
普段のコミュニケーションの中でブラッシングも喜んでもらえたらそのほうがいいし、特別なことをしてあげたいと思ったら、普段よりも大きな容器にたっぷりと砂を入れてあげて存分に砂浴びをしてもらう日をつくるとか、そういう方がきっと嬉しいよって思うんじゃないかなぁと私は思っています。
COMMENTS & TRACKBACKS
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こんにちは!
いつも大変楽しく読ませていただいています。
うちのシナモンの女の子にもこの櫛を使ってグルーミングしてあげたいので
今度ティモくんの使っている櫛と同じものを
今月の29日に銀座三越で行われる櫛留商店実演コーナーに買いに行こうと思っています。
櫛留商店商品紹介で確認したところ4cm弱の櫛、と言うのがどうも見当たりません。
名称、品番、櫛の細かさ等
教えていただけたら嬉しいです。
目下の悩みはお尻に一ヶ所出来た大きな毛玉です。
ハサミでチョキンになかなか踏み切れません。
わらっこ座布団Mを敷いたお家のおしっこしたところに当たった毛が毛玉になるのかなと思っています。
何かいい方法ないかなあと思案中です。
どうぞよろしくお願いいたします。
Mariko さま
いつも「Chinchilla Vie」ブログを読んでくださりありがとうございます!
櫛留商店さんの実演販売が、8月29日から9月4日まで銀座三越で開催されるのですね^^
私が櫛留商店の本つげ櫛に出会ったとき、「なんてかわいい小さな櫛なんだろう!」と思って、きっとチンチラちゃんのために買いたいなと思う方が他にもいるんじゃないかな~と思って質問してみたことがあるのですが、
定番寸法の本つげ櫛を作るために材料を寸法切りした後に、ミニ櫛が作れるくらいの大きさの木片が確保できた場合にしか作れないので、品番はなく公式サイトでも紹介していないのだとおっしゃっていました。
木片の大きさによってミニ櫛の大きさも変わってくるので、私が「匠の技展」を訪れたときには、ティモに購入した4cmくらいのもの以外にも、もう少し小さいものや大きいものなど、全部で2、3個くらい販売されていましたが、その時々によってもう少し多く販売されるときもあれば、少ない場合もあるかもしれません。
ティモが愛用している本つげ櫛は「ミニ櫛」で、木材は国産の「本つげ」、歯の細かさは「細歯」です。
歯の細かさは、ミニ櫛では他に「極細歯」というものもあって、どちらがいいのか悩んだのですが、今思うと歯と歯の間にある程度隙間があったほうがちょっとした毛の絡み合い程度は引っかからず、引っ張られて「痛い!」という思いをせずにすむのでよかったと思っています。
サイズを測ってみると、幅は4cm、高さは3cm、厚みは5.5mm あって、価格は8,100円でした。
高さは購入当初はもうちょっとあったのですが、一度ティモに齧られてしまったことがあって、「匠の技展」を再訪してちょこっと削って直していただきました。
直して頂いた後のサイズの方が使いやすいので、高さはそれほど高いものよりちょっと低めな方が使いやすいかもしれないです。
ただ、既にできてしまっている毛玉を取り除くという目的ではむいていない櫛だと思うのと、グルーミング自体を嫌いになってしまうリスクが高いので、毛玉を取り除くための作戦はまた別に考えたほうがよいかなと思います。
お尻にむかっていくにつれて毛はより長く、密度も濃くなっていて、自分ではなかなか毛繕いできないエリアなので、毛玉ができないようにする予防策として一番有効なのは『砂浴び』です。
ひょっとして、くるっと回転するときにお尻にしっかりと砂が触れていないとか、砂の品質とか、砂浴び容器の大きさとか、時間とか、砂浴びに関連した改善点が何かあるかもしれないです。
出来てしまった毛玉は、自分でCUTしようとして万が一怪我をさせてしまったら対処できないので、私だったら涼しくなってきたころをみてチンチラを診てもらえる動物病院で相談してCUTしてもらうのが一番安心できるかなと思います。
櫛留商店さんの本つげ櫛を愛用し始めて2年が経ちますが、ティモは今でもお尻のエリアをブラッシングされるのが好きではなく、気分によってさせてくれるときもあれば、痛くないはずなのに「ウ˝ャ!」と鳴いて怒ったりすることもあります。
ティモの場合は、お尻を触られることは嫌いではないので、へやんぽ時間にお尻をモミモミ触ったり、ほんのり手ぐし風に毛の間に空気をいれるようなイメージで触ってみたりしています。
Marikoさん家のチンチラちゃんも、無事に毛玉問題が解決されてグルーミングも喜んでもらえるといいですね^^
これからも、「Chinchilla Vie」ブログとティモのことをよろしくお願いいたします。
こんにちは!
今三越の実演販売に行って見てきました。
候補のミニ櫛が2つありました。
ネコ用の細櫛もありましたが
形がちょっと目を傷つけそうで恐いのと
高さが足りないかな。。。なんて観察しながら見てきました。
今2階のソファーに座って
Mameco さんにいただいた貴重品な情報を
もう一度、確認しました。
さて 行ってきます
Mariko さま
こんにちは!
櫛留商店さんの銀座三越での実演販売が始まったのですね^^
私は、銀座三越さんのイベントでは9階のテラスガーデンがあるフロアにしかお邪魔したことがないので、
今回のように日本の伝統工芸品を取り扱うジャパンエディションフロアでの催事はまた印象が異なるんだろうな~と思っておりました。
候補となるミニ櫛も、わずかながら販売されていたとのことでよかったです^^
ひとつひとつが手作りな一点ものなので、よい逸品と出会えていたらいいな~と思いつつ、
直接職人さんとお話したり、製作されている様子を見学できる機会も少ないので、
Marikoさんも催事場での時間を楽しんでもらえていたら嬉しいです^^